イラストポーズで悩むなら『「刀剣+ポーズ」イラスト真剣講座』を読むべき理由

最近のイラスト教本のなかでも評価の高い「デジタルで描く! 「刀剣+ポーズ」イラスト真剣講座 キャラクターに命を吹き込む、動き・表情・シーンの秘伝技」。今回はこちらの教本を購入したのでそのレビューをまとめます。

概要

絵師に学ぶ、刀と人物の「魅せる」描き方
驚きの結果をもたらす、ポーズと構図、線画とアニメ塗り、デジタル加工の秘伝ワザ。
イキイキとした、ダイナミックな動きのあるポーズ。
一枚のイラストだけでキャラの特徴を最大限にアピールできる顔やカラダの表情。
刀を持ったキャラクターを活かすための描き方テクニックを中心に、
線画が映える着色・加工や、パースを効かせてドラマチックに描くシーンのコツなど、
PixivやTwitterで話題の人気絵師が経験で培ってきた、各種ノウハウ・テクニックを1冊にまとめました。(内容より)

pixuv人気絵師、夏生さんによるイラスト教本です。特筆すべきは、イラストのクオリティの高さ。例外なくすべてのページに、イラストが載っています。

 

良いところ○

イラストが多く、美麗

ポーズを取るときの考え方という項目があり、基本の棒立ちから少しずつ動かして説明してくれる。これは今までなかった解説でありがたい。

手足の動かし方や構図に関して、作例とともになぜそうするのか説明がある。イラストだけを置いて、「はい、描いてみて」な教本が多いいなかで、好印象。

良くないところ×

×盛り込みすぎ

⇒これにつきます。

ポーズの解説教本であるはずなのに、「手足の解剖学的説明」や、「アタリからのメイキング」「男女の描き分け」などサブ説明が多く含まれています。

たしかにどれも絵を描くうえでは欠かせない内容です。しかし「ポーズの取り方」というメインコンテンツと、はっきり区別をされていないので、ごちゃごちゃになってしまいます。当然ですが、サブ説明は中途半端。得られる情報は多いものの、結果、もっとも学ばなくてはいけないものが埋もれている印象です。

 

個人的な使いかた

メインコンテンツは、タイトル通り「刀をつかったポーズの付け方」です。圧倒的に内容が濃いPart2の「ポーズの描き方」、これにのみ焦点をあてて使っています。

part

使うシーンは、描き始めのまえポーズを考えるときの資料です。描きたいポーズが決まったあとの、人体デッサン用資料としてはあまり適しませんので、ほかの教本をおすすめします。

立ち位置としては、いつも同じポーズ・構図になってしまうかたが、マンネリ脱出するための考え方教本です。

夏生さんのイラストがとにかく美しいので、イラスト集として眺めるのもありでしょう。

個人的評価

★★★☆☆

情報が多いのはありがたいですが、学ぶところを心得ていないと、買って満足の「眺めるだけ教本」へとなってしまいます。

ただ、ポーズ解説はいままでにないほど秀逸。ポーズに悩んでいる絵描きさんはぜひともお手に取ってみてください。