絵を描くとき、キャラのポーズや、構図の取り方で悩むことはありますか?
今回はそんな悩みをもつ絵描きの強い味方、「トム・バンクロフトが教える キャラクターに生命を与える技術」を紹介します。
概要
キャラクターの個性は、形からだけでなく、感情表現やステージングによっても伝わります。
本書では、ベテランアニメーターであり、キャラクターアートの第一人者のトム・バンクロフトが、キャラクターの表情を作り、ポーズを付け、ストーリーの世界でスムージングする方法を伝授します。
(表紙裏より引用)
本書の著者トム・バンクロフトは、アニメ業界で30年以上の実績をもつベテランアーティストです。
内容は一貫して、「キャラクターの動かし方」。
アニメーターが描いている本ではありますが、漫画やイラストを描くひとにも十分参考になります。
画面の見せ方やポーズの取り方の説明が非常にていねい。
目・眉・口など、表情の付け方だけでもパーツごとに説明してくれています。
また、随所に課題をだし、新人アーティストのイラスト添削も挟んでいます。
どこを直せばより良くなるか、というベテランの着眼点も参考になります。
良いところ
〇作例が非常に豊富で、レイアウトも見やすい
〇説明が論理的で、ていねい
〇表情・ポーズのつけ方、構図の取り方まで幅広いが、蛇足のような説明がなく、わかりやすい
良くないところ
ごめんなさい、ありません・・・。
本当に管理人の目からみて悪い所なんてひとつもありません。
「キャラクターに生命を与える技術」というタイトル通り、画面内のキャラをいきいきとさせる技術がふんだんに書かれていました。
強いていうなら、絵柄がアメリカ風で、日本の絵柄には取り込みにくい要素があるところ。
好みの問題ですが、基礎はどの絵柄でも同じなので、手元に置いておかれることを強くおすすめします。
個人的使いかた
おすすめは最初から飛ばさずじっくりと読んでいくこと。
ベテランアニメーターの「キャラをどう動かせば、良い絵になるか」という考え方を、知っておくだけで大きな前進になります。
また、絵を描くまえや、構図に悩んだときにパラパラ見るとインスピレーションをくれる本です。
暇なときに開いて、読んでおくだけでも絵の説得力が変わりそう…それくらいには即効性があります。
個人的評価
★★★★★
内容が濃いうえに幅が広く、「さすがアメリカのイラスト教本」といえる一冊です。
日本によくある「○○の描き方」といった教本と違い、「なぜ、こう描いた方がいいか」などの詳しい理由を論理的に書かれています。
ちょうどいいレベルは、脱初心者を目指す方。
「ある程度キャラクターを描けるけど、どうも動きやポーズがかたい…」という方には手放しでお勧めできる本です。
こちらの記事にて、この本の内容をすこしだけ紹介しております。