手が描けない・手を描くことに苦手意識がある、そんな絵描きは数多くいます。だから胸から上だけの絵を連発したり、背中側に手をもっていったり―――そんなふうに手を描くのを避けてしまった思い出は、どんな絵描きであれ一度はあるかと思います。
でも案外その特徴はわかりやすいものです。たしかに数は多いけど、理解できないものではない。だってふと目を落とせば、2つもモデルを持っているのです。
実はそんなむずかしくない手。これが複雑と思ってしまう理由は、『先入観をもっているから』です。誰もが毎日目にする手だからこそ、「言われなくてもわかってる」という気になってしまうのです。見てみればかんたんなのに、思い込みのせいで見落としがちなポイントがたくさんあります。
今回は手を描くときにはまりがちな落とし穴を、1こずつ埋めていく作業をしましょう。
手の大きさは「あごから眉まで」
初心者が1番まちがえやすいのは、「手の大きさ」です。経験の浅いほとんどの絵描きが、実際よりも手を小さく描いてしまいがちです。実生活で手の大きさなんてなかなか意識しないですもんね。
じつは手というのは意外に大きい。その大きさは顔と比べると、3分の2以上を占めます。
具体的にいうと、「あごから眉まで」。

もちろんぴったりこの大きさが正しい、というわけではないです。ただ、ひとつの目安にして「なんかおかしいな」というときは手と顔を比べてみるといいでしょう。
指は付け根で曲がらない
実際に指を曲げてみるとよくわかります。ゆびのひだは、骨の曲がる場所よりも上にあるので、付け根でぴったり曲がることはありえないのです。

第二関節がはじめに曲がる
力を抜いている状態だと、指がわずかに曲がって少し丸くなります。そのときどこが曲がっているかというと、指の2こめの関節、つまり第二関節です。
手を握るときも一番はじめに曲がる、もっとも曲がりやすい関節です。

生命線と親指線は別の線
これもよく見る、というよりわたし自身もよくやってしまうまちがいです。手のしわ、いわゆる手相でいちばん目立つ線は生命線です。手を描くとき、だれもが皆この生命線を意識します。
ただ、ここで注意点。線のはじまる場所は親指の付け根と人差し指の付け根の中間あたりです。初心者がやりがちなのが、親指から生やしてしまうというまちがいです。なかなか意識しないと直らないてんなので、ちょっと気を付けて見てみましょう。

まとめ
手を描くポイントやコツはたくさんあります。ここではまちがえやすい箇所のみにしぼって紹介いたしました。
いかにきれいな手、かっこいい手を描こうとしても人体的にまちがっていたら、ざんねんながらアウトです。この4点だけでも意識して、「まちがい手」を少しでもなくしましょう。