全身イラストを描く、かんたんではないですよね。練習をしようにも、骨や筋肉など覚えることが多すぎて、どこからはじめればいいかわからない、そんなことはないでしょうか。
今回は身体を描き始めたばかりの初心者絵描きのあなたに、これだけは押さえておきたい、身体を描くコツを4つお伝えします。
比率を考える
安定した身体を描くために、もっとも有効な方法がこれです。
比率を計算しながら描く。
一般的なのは、頭をものさしにするやり方です。「何頭身」などは聞いたことがあるとおもいます。
比率をかんがえながら描くのは確かにめんどくさい方法ではありますが、初心者でも安定した絵が描ける効果が高い描き方です。
おすすめはいろんな比率を学ぶこと。
比率は、リアルな比率と、萌絵特有の比率とで種類がわかれます。まずは、じっさいの人体比率を学びましょう。本物をまったく知らないひとが省略なんてできません。
リアル比率を学んだあとは、萌絵などのイラストからも学びましょう。イラストの場合は、比率が絵柄によって大きくかわってきます。そのためあなたがもっとも惹かれるイラストから、比率を抜き出して学ぶ必要があります。

比率がちがうだけで印象がまったく変わってきます。好きな絵柄の比率を学びましょう
比率を抜きだすには全身イラストが必要です。好きなイラストの全身絵があれば、それをつかってください。
好きな全身イラストをもっていない場合は、pixivで『全身絵 user』で検索すると人気の全身イラストを見ることができます。
始めのうちはかなりめんどうくさいですが、慣れるまでは根気強く行いましょう。続けていれば、比率を計算しなくても、感覚で自然な身体が描けるようになります。
比率はあくまで目安です。あなたが『描いていて気持ちのいい長さ』があれば、それにしたがうこと。それがあなたの比率になり、絵が洗練されていくのです。
へこむところを覚える
人間の身体は曲線でできています。まっすぐな部分はほぼありません。
イラストのきほんは簡略化です。リアルをそのまま描く必要はありません。
ただ、初心者には簡略化しすぎて、あまりにまっすぐな線で描いてしまうことがよくあります。
だからこそ、人体のだいたいの凹凸は頭にいれておきましょう。

脂肪がつきにくいところは細くなります。とくにひざ・ひじ・手首足首などです。
関節を描く
関節(身体の曲がるところ)を、かならずアタリの段階で描き込みましょう。
初心者の方は、とにかく腕脚を描くことに一生懸命になって、ひじ・ひざの位置をあいまいなまま描き進めてしまうケースがよくあります。
それを避けるためにもアタリの段階で、ひじやひざ、脚の生え際など、関節をあらかじめ特定しておきましょう。

この手法はこちらの記事でも紹介しました。
見えないところもかならず描く
「苦手だから」「わからないから」、そんな理由でうでを後ろにまわしたり、服で隠れている胴体を描かなかったり。そんな行為に覚えがありませんか?
もちろん裸でもないかぎり、構図的に見えなくなってしまう体のパーツは、でてくるはずです。しかし、ラフや下書きでも身体を描かず、いきなり服から描いてしまうひとが多くいます。
服をいきなり描く、というのは一発書きと同じです。
上手い人がいきなり描いているように見えるのは、服のなかの身体をイメージできているから。これは経験の差です。
まだまだだという人は絶対に見えない部分も描いてください。描かない部分はぜったいに描けるようにはなれません。
まとめ
身体を描く、というのは初心者の絵描きにとっては鬼門です。
顔をある程度描けるようになったのに、身体を描くととたんにクオリティーが落ちてしまう。描き始めはそんなこともあるでしょう。
それでも描かなければ、先へは進めません。
解剖学など、いきなり細かいところから始めなくても大丈夫です。ひとつひとつ、ゆっくり理解していけば、全身絵を描くのもそんなに難しいものではないですよ。