過去の記事で、立体的に描くためのテクニックや立体感覚を鍛える練習法を紹介してきました。
この2つは絵心浪漫でもトップで人気な記事で、多くの方から見ていただいています。
しかし、どうも検索ワードを見ていると、「顔 立体 イラスト」というワードでこのブログに来ていただいている読者さんが多いようです。
いままで人物の顔を立体的にみせるテクニックや練習法を紹介する記事はありませんでした。
なので、作ってしまおう、ということで、今回は顔を立体的に見せる方法です。
個人的な方法ですが、顔を立体的に見せるためにわたしが重要視しているポイントは、おもに3つです。今回はその内のひとつ、側面ラインを紹介します。
十字のラインでは足りない
顔を描くにあたって、多くの初心者が意識するのは十字のラインでしょう。

十字ラインはたいへん重要なものです。しかし初心者であればあるほど、その十字だけにたよっては、立体的な顔から、どんどんはなれて行ってしまいます。
なぜなら、十字だけでは顔の正面しかカバーができないから。
顔の側面など、立体的に描くうえで欠かせない部分を、まるまる無視してしまう可能性が高いのです。

そこで重要になるのが、正面以外にも意識をむけること。
慣れている絵描きであれば、無意識に側面があるということを絵で表せますが、慣れていない初心者はそうはいきません。
必要なのは側面ライン
そこで出てくるのが、側面の補助ラインです。ここでは側面ラインと呼びます。

もちろん、顔に「ここからが側面」という明確な線は存在しません。
側面ラインの本質はリマインダーです。「側面があるよ」ということを思い出させてくれるラインがあれば、すくなくとも側面のまる無視はさけることができます。
側面ラインのかたち
では、側面ラインを描いてみましょう。
いったいどんなかたちになるのか、その答えはじっさいに触ってみると早いです。
ちょっと、頭のてっぺんに指を置いてみてください。そして、「ここがわたしの顔の側面ライン」とおもう場所を、つーっとあごまで、指でたどってみてください。

おそらく、おでこが丸く盛りあがって、目のあたりが凹んで、ほほでまた曲線がもりあがるはずです。平たい数字の3みたいなかたちです。

わたしたちの目は、くぼんでいます。頭蓋骨の穴が開いたところに、眼球がはいっているからです。
そしてそれとは対称的に、おでことほおは出ています。骨があるからです。盛りあがり具合には個人差がありますが、多かれ少なかれ、目のあたりに比べては盛り上がっているはずです。
おでことほほの丸み、そして目のへこみ。このかたちを意識して、側面ラインをかいてあげましょう。
まとめ
顔が立体的に描けない、と悩んでいるひとのなかにも、「側面なんて、そんな当り前のこと」というかたがいるでしょう。
もちろん、当りまえといえるほどまで浸透しているなら、側面ラインは必要のないでしょう。しかし、あたりまえと頭ではわかっていても、つねに意識しながら描くには、相当な訓練が必要です。
側面ラインは万能テクニックではありません。側面ラインはテクニックというより、ツールです。
描くことで、顔の横側を意識することが楽になります。横側の意識がすこしでも消えかかることがあるのなら、一度はつかってみることをおすすめします。