“目は心の鏡”とか、”目は口ほどにものを言う”など、眼に関する古いことわざは、沢山あります。わたしたちの目、その豊かな表情性は、ずっと古くからあったようです。それほどの重要な目は、イラストにおいても、その重要性は変わりません。
ということで、今回は目の描き方です。キャラクター性を象徴するパーツ・目。今回はきほんの構造、眼球とまぶたについてです。この関係性を知っておくことで、いろんな種類の目の描き分けや角度のついた目も描けるようになります。
まぶたと眼球のかたち
まず、目を描くために知っておきたいことは、眼球のかたちです。眼球はその名のとおり、球体・つまりボールです。あたりまえではありますが、イラストを描いていると忘れてしまいがちです。あらかじめ、よく頭に入れておきましょう。
ここでのポイントは、だれもが同じかたちの眼球を持っている、ということです。球体なのですから、「あいつは四角形」とか「彼は三角形」とか。もちろん、そんなことはありえません。

しかし、ひとの目は、いろんな形がありますよね。では、一体なにが違うのでしょう。答えは、見えている部分がちがいます。正確には、まぶたのかたちです。
わたしたちの目、見えている部分はほんの一部です。その大半が隠れていますが、まぶたによって、見える部分が決定されます。

こんなふうに眼球はおなじでも、見えるところがちがうだけで、雰囲気もおおきく変わります。さらに瞳の大きさや色が変わることで、より多彩な目が描けるようになります。
角度のついた目とまぶた
角度をつけた目の場合も、まぶたと眼球の関係性はおなじです。ここで注意するポイントは、まぶたのラインは眼球からはみ出ないということ。まぶたの位置は、眼球の位置についていきます。間違えないでいただきたいのが、「黒目についていく」ということではないということです。眼球とまぶたの位置さえ合っていれば、黒目だけうごくのはOK。

まとめ
「角度のついた目が描けない・・・」。そんな絵描きさんの絵を見ていると、まぶたと眼球がうまく噛み合っていないケースがほとんどです。たとえば、まぶたが眼球からはみ出ていたり、ひらべったい目であったり。
まずは、眼は球体であることを意識すること。そして見えているのはほんの一部だということ。この一部の切り取り方で、表情やキャラクター性が大きくちがって見えてきます。
また、キャラクターデザインにおいても目は重要な役割をはたします。うえの図のように、眼球だけをまず描き、上からまぶたをいろいろシュミレートしてみると、ぴったりはまるデザインが見つかりやすくなるかもしれません。