今回から少しづつ、人体についての勉強をしていきたいと思います。そしてそのまとめとして、ちょっとずつ記事にまとめていきます。
今回は個人的にだいすきな人体パーツの肩と首です。目立つ部分だけに、人体でも特に「正しく見えるかたち」をとりたいところです。
最初に、初心者にありがちな間違いから、ふれていきましょう。まず知っておかなきゃいけないことは、「首から肩のラインは一直線ではない」ということです。
背中から鎖骨にかけて、僧帽筋という筋肉がのびています。これが、肩と首の間に台形のかたちをとってあらわれます。

台形を置くだけでだいぶそれっぽく見えますね。さて、ざっとかたちを掴んだところで、内部事情にずかずか踏みいってみましょう。
肩を描くうえで絶対に意識しないといけないのが、骨です。なぜかというと、肩は人体でとくに脂肪がすくなく、骨の形状がまるまる表面にみえるからです。
肩で重要な骨は3つあります。
まず、誰もが知ってる鎖骨。
次に鎖骨からネクタイ状にのびている胸骨。
最後に背中側にある肩甲骨です。
そしてその3つの骨とはべつに、特別枠で大事な骨があります。筋肉の流れで外せないのがこの2つ、背骨と上腕骨(いわゆる腕の骨)。ではどんなかたちであるのか見てみましょう。

そのうえに筋肉をつけてみます。筋肉のなまえは今すぐ覚える必要はありませんが、すこしずつでも覚えておくのをおすすめ。教本や講座での説明が頭に入ってきやすいので、理解度が深まります。人間関係も仲良くなるにはまず顔と名前を覚えますよね。筋肉もいっしょです。
名前とどんな筋肉かを覚えてあげると、ひとの絵を見たときでも「○○筋をこう描くときれいに見えるのか」「この角度だと○○筋はこう見えるのか」など吸収力もたかまります。

1)胸鎖乳突筋:耳の後ろから伸びてくる筋肉です。男女で角度の差をつけると、それっぽくなる。これが、いわゆる首の筋になります。

2)僧帽筋:背中からぐいっとのびてる筋肉です。ひし形のかたちが、修道士のぼうしに似てたからこの名前がついたんだそう。おもな働きは、肩甲骨をうごかすこと。
3)三角筋:鎖骨と肩甲骨からのびて、上腕骨をおおう、肩パッドのような筋肉です。かたちは肩パッド、と覚えていただければ問題ないです。
4)大胸筋:上腕骨から鎖骨、胸骨にむかって扇状にひろがる筋肉です。女性の胸はこの筋肉のうえについています。骨の上に大胸筋、大胸筋の上に胸。おっぱいをいきなりつけてはだめなのです。
これら筋肉には流れがあります。この流れは、ざっとでも覚えていたほうがいいです。なぜかというと、筋肉の流れがはじまる点と終わる点は、「へこみ」としてからだにでてきやすいからです。


さて、今回はここまで。本当にきほんのきほんについてでしたが、いかがだったでしょうか?
なんとなく頭ではわかっているものの、自由自在には動いてくれないものです。「それらしく描く」ためには、やっぱりある程度知識は必要です。
まずは描いてみる。それを繰り返していけば、さらさらと素敵な肩が描ける日も遠くないのでは。そう願いながら、せっせと肩を描きまくった記事でした。