やわらかい髪が描けないあなたへ。「重さ」でわかる髪の描き方

キャラクターを描くとき、ぜったいに省略できないのが『髪』です。バストアップでも後ろ姿でも、髪を描くことは避けられません。

髪は、だれもが初心者のうちから描いていくものですが、時間がたっても、なかなか満足のいく完成度になってくれないパーツでもあります。

なかでも初心者がもっとも陥りやすい問題が、「髪がやわらかく描けない問題」です。

髪の描き方を調べてみれば「つむじから流して」とか「毛束を意識」とか、たくさんのアドバイスが出てきます。もちろんどれも的確な指摘ですが、それだけではやわらかさは出せません。

やわらかく描けない大きな原因は、そこではないからです。今回はやわらかく描けない原因と、かわいいやわらかい髪を描くコツをお話しましょう。

髪がやわらかく描けない理由

髪がやわらかく描けない、かたく見えてしまう原因は、「重さが上にきている」からです。

「髪に重み?」と思うかもしれませんが、どんなものにも重みがあります。ぺらぺらの紙にも、生えている髪にもです。

この『重みの意識』が、髪をやわらかく描くためには必要不可欠です。

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重みがあるところは、太くなり、丸みをおびます。逆に重みのないところは、まっすぐ細くなります。

 

重みを下へ持っていく

たとえばこちらのイラストを見てください。ロングヘアの女の子ですが、髪がいかにも堅そうです。この髪をやわらかくしていきましょう。

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まず考えるのが、『髪の重さの位置』です。この髪の重さはどこにあるでしょうか。

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重みがだいぶ上の位置にあります。髪をやわらかく見せるためには、下に持っておりることが必要です。

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重みを下に持っておりると、毛先が重く丸くなります。髪が少なくなるので、毛先そのものはあまり太くはなりませんが、太くなる位置はかなり下におりています。

 

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ぐっとやわらかくなりました。

重くなる位置がさがると、毛先が丸くなります。逆に、重みのない真ん中あたりの髪は、まっすぐ気味になります。

重みの位置を変えるだけで、こんなにも質感がかわってくるのです。

 

まとめ

重みの位置を上げ下げすることで、いろんなかたさの髪を描き分けることができます。

かたい髪のキャラを描きたいときは重みを上に持って来て、まっすぐ気味に。やわらかい髪を描きたいときは重みを下へ持っていって、毛先を重く丸くします。

 

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ご覧のとおり、がらっと印象も変わるので、キャラクターの描き分けにも便利です。いろいろな髪の質感を描いてみたい方は、ぜひとも「重みの意識」を上げ下げする練習をしてみてはいかがでしょうか。

 

女の子のふわんわりヘアを描きたい!ステップアップで考える髪の描き方

2016.05.03