前回紹介したイメージ描きを鍛えるには、基本のやり方を繰り返していくのがもっともスタンダードな方法です。しかし、ずっと同じ練習法をしていると飽きが来るのも事実でしょう。
マンネリはモチベーションを奪ってしまう、イラスト上達の大敵です。
今回はそうならないためにも、『イメージ描き』を習得するにあたり、効果の高い練習法を紹介します。
思い出し模写
お手本を一定時間ひたすら観察し、その後なにも見ずにその絵を描く、という練習法です。
お手本を見る時間は2分~5分ほど。そのあとは記憶のみに頼って描き上げます。
できあがったら、お手本と比べたり、ふつうの模写をしたりしながら答え合わせをします。くり返し同じ絵でやることで、イメージ力だけでなく、全体的な画力も底上げできる効果の高い練習法です。
あらかじめ言っておくと、はじめはまったく描けません。完成させるのもつらい所業ですが、それでもなんとか描き切ってください。
おすすめは、慣れるまでは、「3回まで」と数を決めて、お手本をみてもいいルールにすること。
脳や精神的にも負担がかかるほど苦しい練習法ですが、その分効果は絶大です。
目をつぶりながら描く

絵描きであればだれもが、絵を描くときには、ぼんやりとでもイメージを持っているはずです。
しかし、ぼんやりのまま描き進めてはこれまでと変わりません。
ここでは描きたいイラストのイメージを、目をつぶって明確なものにします。そしてそのまま描く。
目をつぶるという行為は、思い出したりイメージをしたりするときに効果があることが脳科学的にも証明されているのです。
できあがる絵はむちゃくちゃなものですが、それでいいのです。
これは『上手い絵を描く訓練』ではなく、『イメージを維持したまま腕を動かす訓練』です。
目力デッサン

イメージ力を鍛えるだけなら、ペンがなくても、いつでもその場でトレーニングがあります。
たとえば目の前にあるペンや、手。それをじっくり見てください。
そして目をつぶって、さっきまであなたが見ていた物の画像を、脳内に描きだす練習方法です。
画像が浮かんだら、頭のなかでペン入れを行います。
浮かんだはずの画像が、またたくまにぼやけてしまったのではないでしょうか。
風景などおおきなものでなくとも、ぱっと目に入る静止物であったり、人の足などパーツだけでやってみたりをおすすめします。
頭にはっきりとしたイメージを浮かべるトレーニングとしては、それで十分効果的です。
コマ送り模写・コマ戻し模写

アニメや映画などの映像を一時停止させ、その数秒前を思い出して、もしくは数秒後の映像をイメージして描く模写です。
画面内でしか人体を把握できないのが難点ですが、答え合わせもしやすく、動きのイメージもつかめます。
一石二鳥の訓練です。
まとめ
画力向上のためには、イメージ力が必須です。
だからこそ、さまざまな練習法をつかって、マンネリに負けないよう経験値を重ねていきましょう。