イラストに色塗りをするなら、配色はとても大切なステップです。
しかし直感にたよって選んだら、なんだかごちゃごちゃして見にくい絵になったなんてこともあり得ます。
初心者の場合はとくに。
今回はかんたんな色彩学の基礎と、それにならった色の選びかたを紹介します。
自分の直観にたよるのが怖いときは、すなおに知識に逃げちゃいましょう。
カラーサークル

色選びに欠かせないのが、色を円に並べたこのカラーサークル(色相環)です。
12色だったり100色だったりといろいろ種類があります。
イラスト環境がデジタルなら、必ずといっていいほど、このカラーサークルと一緒に作業をしているのではないでしょうか。
では、このカラーサークルをつかった色選びのきほんテクニックをご紹介します。
カラーサークルを使った基本の色選び術4つ
類似色


メインカラーの両隣にある色(隣接色)や色相が類似している色同士(類似色)を使うことで、まとまりを生みます。いわゆる近い色を選ぶテクニックで、比較的初心者向け。とはいっても、近い色はやっぱり相性抜群で、あなどれないものです。
補色


メインカラーの反対の位置にある色(補色)を組み合わせて、際立たせます。
コントラストが高くなり、メリハリが出やすいテクニック。
目に強い配色になりがちなので、色自体を薄くして(明度を上げて)パステルカラーにしてあげると、やさしい色合いになります。
元気さや奇抜さ、子供っぽさをだしたいなら、原色に近い色でつかうのもおすすめ。
対照色
メインカラーから120~150°はなれた色(対照色)を組みあわせて、メリハリを生みます。
とくに簡単にできるのが、カラーサークルで三角形に色を選ぶという手法です。
メリハリが生めるうえ、補色ほど強いコントラストにはならないので重宝します。
ただ、ごちゃごちゃしやすいので、メインカラーをしっかり決めてあげることが重要です。
補色×2


メインカラーを2色にするとき、補色も2組以上組みあわせてバリエーションを出します。
カラーサークルに四角形を作るような色選びになります。
おまけ 同一色
色相が同じで、明度や彩度のみ違う色のことです。
たとえば、明るい青と暗い青など。
色みの同じ色たちなので、合うのは間違いないのですが、下手をすると薄っぺらい色塗りになってしまいます。
服のコーディネートには基本的な配色であり、初心者が取り入れやすいものですが、イラストではあまりおすすめしません。
色の濃淡だけで立体を表現するのは、かなり高度なスキルです。
たとえば下のイラスト。
左が色相をかえずに肌を塗った絵(上)と、色相をかえて肌を塗った絵(下)です。


色相を変えるだけで、けっこう変わって見えるものなので、こだわりがある・濃淡だけで表現する練習をしたいひと以外は、「同一色だけの塗り」は避けるのをおすすめします。
まとめ
色というのは非常に多彩な表現が可能で、絶対に守らなくてはならないルールなんてありません。
ただ、どんなことにも法則はあるもので、それに従えば楽にセンスの良いイラストに近づけることも可能です。
たくさんの色があり過ぎて選ぶのに困ってしまう。そんなときは、今回ご紹介した方法で色を絞ってみると、やりやすくなるかもしれません。