やる気がでないならイラスト上達合宿なんていかが?絵描き旅のすすめ

イラスト練習を行う時間が、いちばん多い場所は『自宅』でしょう。しかし自宅以外、つまり外に出てするイラスト練習は、大きなメリットがあります。

その筆頭は、「劇的にはかどる」こと。イラスト練習の効果がもっとも高まるのは、じつは『自宅以外の場所』なのです。

今回は絵を描くあなたにおすすめしたい、『絵描き旅』のすすめです。

絵描き旅とは?

『勉強合宿』という言葉は、聞き覚えがあるでしょう。夏休みに学習塾がこぞって、PRしていますね。

じっさい、合宿には大きな効果があります。ほかの参加者とのコミュニケーション、という対人的なものだけではありません。

たとえば、

・期間が決まっていることによる、集中効果

・合宿における目標があるモチベーションアップ

・非日常に行くマンネリ脱出

など、さまざまな効果を得られます。

この「合宿」を、絵描き個人で利用することで、同じ効果を得ることができます。

とはいえ、1人で『合宿』というのも仰々しいので、『絵描き旅』とよびましょう。

絵を描くための、旅です。

絵描き旅の効果

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イラスト上達の練習は、「毎日コツコツ」がきほんです。小さな積み重ねが、やがてあなたのイラストを魅力的なものへと仕上げてくれます。

しかし、練習をつづけていくのは楽しいことばかりではありません。

どうしてもやる気が出なかったり、「本当に画力が上がるのか」と不安になったりすることが何度もあるはずです。はてには絵を描くこと自体が楽しくなくなってしまうことがあるかもしれません。

マンネリやモチベーションの低下、スランプに陥ってしまったとき、どれだけ自分をはげましても、絵を描き続けることが苦しくなってしまいます

そんな時、苦しみを解消してくれるひとつの方法が、『絵描き旅』です。

日常からはなれるため、マンネリ解消になりますし、自分と向きあう時間がもてるので、モチベーションの向上にもつながります。

絵描き旅で行きたい場所

ホテル

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自宅の雑務や、家族の目から解放された環境、いわゆる「缶詰状態」になれるのがホテルのメリットです。

作家やまんが家が、作業のためにホテルで缶詰めになる」という話をきいて、ひそかに憧れていた方も多いのではないでしょうか。

必要最低限のものしかないので、よけいな誘惑がなく、集中力がぐんとアップします。

・安価なビジネスホテルでも十分な効果が得られるので、比較的安い。

・作業をするための机やいすがあるため、作業場が確保できる。

・靴を脱がない形式がほとんどなので、リラックスしすぎない。

・街中や駅付近だと騒音がある可能性がある。

旅館

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ホテルと同じく「缶詰状態」にて集中力アップが期待できます。ホテルと異なる点が、そのままメリット、デメリットにつながります。

・疲れれば大浴場や温泉でリフレッシュできる。

・ゆかたで旅館内を歩けるので、ふとしたとき散歩へいきやすい。

・自然に囲まれた立地が多い。比較的静かに過ごせる。

・1泊2食付きがきほんなので、料金が高くつきやすい。

描きたいものがあるところ

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絵描き旅は、日帰りでも構いません。そのとき絶対に優先してほしいのは、あなたの「描きたいもの」を探す旅にすること。

モチベーションアップをしながら、資料集めにも最適です。

たとえば、自然の背景を描きたいなら植物園へ行ってみたり、和風な建物が描きたければお寺神社へ行ってみたり。

幻想的な風景が描きたければ、水族館プラネタリウム。動物が描きたければ動物園

博物館美術館も新しいインスピレーションを得るのに最適な場所です。

たとえばわたしは昨年、県内の山へ行き、写真をとってそれをみながら葉っぱブラシを作成しました。

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歩きながら、木の生え方はどうだとか、どんな柱のつくりになっているとか。

考えながらじっさいに見たり、さわったり、感じる。写真に撮れるなら撮って、持ち帰る。パンフレットやお土産グッズも、貴重な資料になります。

それはあなたのイラストにとって最高の資料になるはずです。

まとめ

絵を描くための旅。守ってもらいたいことは、2つです。

1つめに、お金を出すこと。最初はためらうかもしれませんが、「お金をつかって、場所をかりる・資料を得る」という経験は、無意識に「元を取ろう」という心理を働かせます。

わざわざ『絵の上達』のために、時間とお金をつかうのです。「結果をださなければ」というプレッシャーが、あなたの画力向上を後押ししてくれるはずです。

2つめに、テーマを決めること

旅行中に絵を30枚描くとか、背景を描くために資料を集めるとか。ただ何となく行ってみるでは、ふつうの、ただ楽しい旅行と変わりません。

有名な旅好き芸術家、ゲーテはこんな言葉をのこしています。

「誰でも旅行をするについては、何を見るべきか、何が自分に大切か、を知っていなければいけない」

エッカーマン著 山下肇訳『
ゲーテとの対話 上 (岩波文庫)』より引用

お金を出して、テーマのある『絵描き旅』を。やる気が出ない、スランプになってしまったという前に、ぜひとも画力に「投資」してみてあげてはいかがでしょうか。