人物の描き分け、初心者がぶつかるおおきい壁の1つです。
男女の差はありとあらゆるところにあり、一つ一つの小さな意識の積みかさねが、全体の男らしさ女らしさをはっきりとわけてしまいます。
今回は男女の差について、いがいと見落とされがちな「向き」についてまとめていきます。
イラストにおける男女差の種類
ありとあらゆる男女の差、これらは大きくわけて2種類あります。
1つめに、人体の男女差(肩幅、ウエスト、脚、眉毛、輪郭etc)
2つめに、雰囲気の男女差(男らしいor女らしい格好、ポーズ、印象etc)です。
今日とりあげる「向き」は、2つ目の「雰囲気の男女差」に属します。
初心者・中級者のかたが男女の描き分けをするとき、人体の作りについてはしっかり意識しているのですが、一方の雰囲気の差について無頓着な方が多いようです。
ところが、後者の「雰囲気の差」も「人体の差」に負けず劣らずの重要性をひめています。
男らしいキャラを描きたいのにどこかなよっとしてしまう、女の子っぽく描きたいのにどこか可愛げない―――。
こんな悩みも、「雰囲気の性差」を無視したがゆえに、起こりがちな問題です。
さらにたとえば、男性らしい身体なのに女性らしさが溢れるオネェキャラや、華奢な見た目なのに攻撃的な雰囲気のカッコいい女性キャラ。
このようなキャラには、身体の性差だけではどうしても表現できない部分が必要になってきます。
雰囲気の男女差
重要な4つの向き
雰囲気の男女差、実は意識するべきキーワードが1つあります。
そのキーワードこそが、ずばり「向き」。
この向き、覚えていただきたいのは次の4つです。
女性→内向き、下向き
たったこれだけです。
この4つの向きを覚えて意識することで雰囲気ががらりと変わります。
極端なはなし、棒人間でさえ、向きを意識するだけで「らしく」見えませんか?
同じポーズを取ってみても。

ただ意識して向きを変えてあげるだけで、かんたんに男らしさ・女らしさがでてきます。
キャラクター作りにも
代表的なのが髪の向き。男性は外向き、女性は内向きが基本形です。


逆に女性に外向きの髪を取り入れると、ボーイッシュ・活発・自信家な印象を与えます。
逆に男性に内向きの髪を取りいれると、大人しい・優しい・女性的な印象に。
また、向きの全くないストレートもたまにありますよね。(大抵のストレートキャラは毛先が内に巻いてます)
これは男女関係なくミステリアスで中性的な印象を与えます。例えば、「千と千尋の神隠し」のハクや「ONE PIECE」のニコ・ロビン(一期)、あと「D.Gray-man」の神田ユウとかそうですね。
どんなキャラにしたいかで髪型の向きを変えてみるのもおもしろいです。
まとめ
見た目にもそれ以外にも、男女の差は数えきれないほどあります。
今回お話しした「向き」はとくに見落とされがちな要素のひとつです。
言われてみると当たり前のことだと思いますが、意識しなければイラストには出てきてくれません。
描きたいキャラのらしさを出すためにも、描き分け事項のひとつに取り入れてみてはいかがでしょうか?