前回の人体デッサンでは、首から肩(ほんのちょっと胸)までのきほんをまとめました。今回も前回同じく首をやっていきます。
ちがうのは、角度。前回ほとんどふれなかった「首の横がわ」や「ひねった時の首」など、すこし応用編です。
前回の記事をみてない、覚えていないという方はぜひともおさらいしておいてくださいね。
では、いきましょう。今回おさえるべきポイントはただひとつ、「第七頸椎」です。
第七頸椎とは?
「頸」とはむずかしい漢字ですが、訓読みで「くび」とよみます。頸椎とはそのまんま、「くびの骨」を指します。
首の骨ではありますが、頸椎は背骨の一部です。小さな骨がいくつも重なってできている背骨ですが、おおまかに4つに分けられています。そのなかで上から7こ目までの骨が「脊椎」、つまりは「くびの骨」とされているわけです。


この7こある脊椎、上から順に第一頸椎・第二頸椎―――と名前があります。そう、首を描くポイントになる第七頸椎は7つめ、さいごの頸椎のことです。

なぜ第七頸椎がたいせつなのか
どうしてこの骨が、首を描くポイントとなるのでしょうか。理由は、その形です。
第七頸椎がとくべつなのは、その長さ。ほかの頸椎とくらべて、あきらかに長いのです。この長さのせいで、からだに盛り上がりとして出てきます。
この盛り上がり、首における人体デッサンでは、ぜったい抑えておくべきポイントです。横顔を描くとき、少し首をかたむけたときはまっさらな曲線ではなく、第七頸椎を意識してすこしぽこっとさせてみましょう。
とくに首をひねったときは第七頸椎にひっぱられて、まわりが少しくぼむことも、頭に入れておくといいでしょう。

まとめ
第七頸椎は体表にでる骨のなかでも、とくに認知度の低い骨です。じぶんでは見ることができないし、意識することもないからでしょう。
じっさいに首をすこしかたむけてさわってみると、ぽこっと骨があるのがわかります。ぜひとも実感してみて、「すこしかたむいた首」や「ひねった首」を描くのに生かしてみてください。