足の構造には、アーチがあります。このアーチがあるかないかで、その絵の足らしさが決まるといっても言い過ぎではありません。
魅力的な足を描くためには、足のアーチはぜひとも知っておきたい必須事項です。覚えていただきたいアーチは3つです。そんなに多くはありません。
足が描けない、という方はぜひ、アーチの存在を頭に叩き込むことからはじめましょう。
内側縦足弓

まず最初のアーチには、内側縦足弓という名まえがあります。この後のものを含めて、名まえを覚える必要はありません。しかし、名まえを見たらわかる程度に覚えていると、イラスト教本で出合ったときに理解が早まるのでおすすめです。
名まえのとおり、「内側の縦のアーチ」です。アーチ3つのなかで、もっとも長い。いわゆる、「土踏まず」となるのがこのアーチです。
バレエダンサーなどの訓練された人や、生まれつき高いアーチをもった人は、アーチの中心が高く持ち上がり、よりはっきりとした曲線(土踏まず)がみられます。
もちろんそうでないひと(ふつうの人)でも、体表に出やすい、わかりやすいアーチです。いずれにせよ、偏平足(土踏まずのない足)のひと以外は、このアーチのため、足が地面にぴったりくっつくことはありません。
外側縦足弓

2つめのアーチ・外側縦足弓も、その名のとおり「外側の縦のアーチ」です。外側のアーチは、内側にくらべてカーブがゆるく、より平らに近いかたちです。そのうえ、骨のうえからついた脂肪などによって、体表的には、はっきりしたアーチではありません。
しかし、決して平らではないのが覚えておくべきポイントです。カーブはゆるやかですが、直線ではない。あなたが描こうとする足が外側であっても、このアーチを意識して、地面とぴったりくっつけるのは避けましょう。
横足弓

3つめのアーチ・横足弓は、2つの縦足弓とほぼ直角にちかい状態でまじわる、いわゆる「横のアーチ」です。
このアーチをつくるのは、5本の足の指です。正確には、その付け根となる骨が、アーチ状に盛り上がっていることから、横足弓のアーチができています。
カーブは急で、内側ほど高く、外側ほど低い。
描く足に立体感がでない、というひとは、この横足弓の意識がすっぽり抜けている可能性が高いです。
足の正面からみると、もっともわかりやすいアーチです。
まとめ
どの角度であっても、足を描くならば、この3つのアーチのうち、少なくとも1つはかならず描くことになります。
上手く足が描けないという人ほど、アーチが抜け落ちてしまっている可能性が高いです。まずはアタリの時点で、アーチ線をひいて確認してみるのはいかがでしょうか。
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