前回から続きまして、あしの描き方筋肉勉強、第二弾です。
下半身のほとんどを占めるあしの筋肉は、かなり多くて複雑に見えるかもしれませんが、よく見れば、ひとつひとつは単純なかたちです。
一個づつ覚えて、組みたててく。
すらすら脚が描ければ、イラスト上達にもおおきくかかわってきます。
画力向上に大事なステップです、ゆっくり確実に学んでいきましょう。
内転筋群
その名のとおり、脚を内転させる(内側にまわす)役割をもった筋肉たちです。
内転筋群とよばれる筋肉はつぎの5つ。
・恥骨筋(ちこつきん)
・短内転筋(たんないてんきん)
・長内転筋(ちょうないてんきん)
・大内転筋(だいないてんきん)
・薄筋(はくきん)
この内、薄筋は次に紹介する縫工筋と間違えやすいので注意です。同じように細長く、下腿の骨までのびています。
(1)にて紹介した四頭筋群や、つぎの縫工筋によって、姿が若干隠されてしまっていますが、太ももの内側のふっくらしたラインは、この筋肉たちによってできています。
縫工筋
体の中でもっとも長い筋肉として有名な筋肉、縫工筋です。
骨盤から一回内側へまわって膝までのびる、独特なつき方も特徴の一つ。
この縫工筋は、脚を描くうえで、かなり重要な筋肉になります。
なぜならこの筋肉が、内太もものシルエットを決めるから。
縫工筋がとおるラインが、外側からみると溝のようになるのです。
ふっくらした内太ももから、膝へおりるまでに、若干しまるラインは、この縫工筋によるものです。

縫工筋は内転筋群の薄筋と重なるかたちで、同じように下腿の骨まで伸びています。
縫工筋と薄筋、そしてハムストリンググループ内の半腱様筋と、同じ腱を共有して(同じところで)下腿の骨につながっています。
ハムストリンググループ
太ももの裏側の真ん中にある、3つの筋肉、
・大腿二頭筋
・半腱様筋
・半膜様筋
これらをまとめて、ハムストリンググループといいます。
主な役割はあしの曲げ伸ばし。歩いたり、跳んだりするときにも常に働いている重要な筋肉です。
骨盤と上腿・下腿の3つをつなぐ、範囲のひろい筋肉群です。

ハムストリングを骨につなぐ腱は、細長いひも状で、脂肪の少ない膝裏についています。
そのため膝を曲げるととくにこの腱が目立つので、膝を描くときはこの腱に注意しましょう。

3つとも、下のあしまで腱がのびていますが、半腱様筋だけは、下腿の骨(脛骨)の前面まで伸びています。
うえで紹介した縫工筋・薄筋とおなじ腱でつながっているのも特徴です。