【人体デッサン勉強】脚の骨と筋肉(1)

画力向上には全身の絵を描くことが必要不可欠です。

しかし、バストアップや顔を主に描いてきたあなたにとって、脚(足)を描くというのは難関に間違いないでしょう。

今回は全身イラストにおいても、とくに重要な脚の構造についてです。

脚はとくに筋肉が多いパーツ。いくつかの記事に分けて勉強していきます。

 

脚のきほん構造

まずは、根幹となる足の骨について簡単にみていきましょう。

 

脚の骨は大きく分けると、「骨盤」・「上腿(膝より上)」・「ひざ」・「下腿(膝より下)」の4つでわけることができます。

イラスト初心者のうちは、骨の名称や形をすべて覚える必要はありません。

ただ、より正確なアタリを取るためにも、簡略化した形だけは覚えておきましょう。

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ポイントは2つ

まず、上腿(太もも)の骨は、骨盤の斜め下からはえていることです。

よくありがちな初心者ミスで、骨盤の真横に脚のつけ根をつくってしまうものがあります。

これだと腰からお腹への流れが不自然になってしまうので、脚の関節は位置を注意しましょう。

 

2つめのポイントは、骨が斜めに生えていることです。

とくに上腿の骨はかなりの角度がついて、下へ降りています。

垂直にしてしまうと体重がかかっていない不自然な足になるので、注意が必要です。

 

つぎに、脚の筋肉です。前と後ろで、ざっと色分けをしてみました。

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さて、筋肉の勉強のまえに、注目しておきたい部分があります。

「前」の膝から下へのびる水色の部分。

これは筋肉ではなく、です。

膝と、すねは筋肉がついておらず、骨がそのまま体表にあらわれます。

じっさいに、じぶんの足を触ってみると、硬いですよね。これは筋肉ではなく、骨がそのまま出ているからです。

筋肉がついていないので、すねは比較的直線的です。(完全に直線ではありません)

あまり丸く書きすぎないよう注意しましょう。

 

殿筋群

denkingunいわゆる「お尻の筋肉」です。

大腿筋膜張筋中殿筋大殿筋の3つからなります。(本当は4つめに小殿筋という小さな筋肉が奥に隠されています)

 

筋肉が発達したひとは、この3つがそれぞれ形が見えるそうですが、ほとんどの人はこの筋肉が脂肪におおわれ、全体的に丸い形に見えます。

ひざ下までぐっと伸びているのは、厳密にいえば大殿筋群ではなく、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)というじん帯です。

 

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上の大腿骨ではなく、下の脛骨にくっついているのが特徴です。

殿筋群はお尻をおおう筋肉で、その延長線が腸脛靭帯です。

お尻の筋肉がひざ下までつながっている、と知っておくだけでも、脚の流れが理解しやすくなります。

 

四頭筋軍

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男性の、むきっとした太もも。それを形作るのがこの四頭筋群です。

こちらも大殿筋群とおなじように、4つの筋肉からできているのですが、表面のかたちに見えるのは3つです。

外側広筋、大腿直筋、内側広筋

 

3つの筋肉ではありますが、体表には全体がひとつの円柱のようなふくらみとして現れます。運動選手のような体型のひとだけ、はっきりと3つに分かれてみることができるのです。

隠れている中間広筋もふくめて4つの筋肉はすべて、ひざの骨に流れてつきます。

膝の上のふくらみは、この四頭筋群です。

詳しく見てみましょう。

%e5%9b%9b%e9%a0%ad%e7%ad%8b%e7%be%a42水色になっている部分は、『(骨と筋肉をくっつける結合組織)です。

厳密には筋肉ではないので、この部分は伸び縮みはしても、筋肉ほど著しい発達をしません。

 

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ひざの骨は小さいものですが、この腱が伸びており、全体が表面から「ひざ」に見えます。

ひざを描くためには、腱の存在も一緒に覚えておきましょう。